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designer's reform "HANA-RE"
「さりげない品格をそなえた、おもてなしの空間」
柏市に新設されるデザイナーズリフォームのプロデュース、施工、運営を行う会社のギャラリー。ここで営業、接客、事務作業を行うのだが、デザイナーのショールームとしてのギャラリーを併設する。
この計画の最も特徴的な、エントランス右側の看板から店の奥へと続く緩やかな弧を描く壁は、客を自然に誘導する仕掛けとして機能する。その壁の色はコーポレートカラーが最も映える背景として、ワイマラナーカラーとする。またこの壁は空間のほぼ中央に位置し、全体を緩やかに二つのエリアに分けている。
エントランスから続く左側をギャラリースペースとして、来場者が気軽に入り、閲覧できるように配慮される。左壁には照明を仕込んだディスプレー台を作り、模型や写真を効果的に展示する。この場合の写真は単なる紙焼きよりもポジフィルムのようなものである方がより効果的だ。ディスプレー台の円弧に導かれるように奥に進むと、正面にオフィスへのドアになるが、枠や金物の納まりを工夫することにより、その存在感をできるだけ消したい。その手前、左側がパウダールームになる。
住宅の洗面脱衣室を想像させるパウダールームは大理石の天板を使用し、「品格」を感じさせる。
その奥のトイレは、間接照明を施し、商業空間的な雰囲気を持たせ、パウダールームとあわせて「住宅でもこういうところに気を使うと良くなるんだよ」という手本となるようにする。
象徴的な円弧の壁の右側は、床を一段上げ、フローリングで仕上げることにより、住空間を意識した作りとする。二つ用意された打合せスペースも「テーブル席」と「ソファー席」とすることにより、「テーブル席=ダイニング」「ソファー席=リビング」と位置づけることができる。これらの家具はできるだけ上質な物を選び、「本物」を感じさせる空間にしたい。
その「本物」感をより強調するために、中央には無垢板のテーブルが置かれる。ここはパンフレットやカタログなどを置いたり、エントランス正面の「お客様をお迎えする床の間」的な場所として、季節のディスプレーを施したい。