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光の煙突効果
都心の住宅密集地に計画された住宅。設計は今永環境計画の今永和利氏。
周囲を住宅に囲まれた都心の狭小な土地で、太陽の恵みは空からしか望めそうもない。建物の1/4ほどを占める大きく開けられた天窓から地階まで光を巡らせるために、ガラス、エキスパンドメタル、ルーバーなどを通過した光が全体を駆け巡るように計画されている。そのために内装は、光を反射させるために白で構成されている。建物の設計ストーリーはこちら。
その中に置かれるキッチンもやはり白。とはいえ、床はコルクタイルを使用しているため、暖かみがあり、冷たい感じはしない。キッチンの扉は壁と同色の壁面収納とし、更に上部を乳白アクリルでカバーした照明とすることで、より建築的要素を強めている。ガスレンジを壁面側に配置することにより排煙の効率を高めると同時に、アイランドテーブルをシンプルに納めたり、玄関脇のシューズクロークの一部をキッチン側に利用して(「光の煙突」から見えないように)冷蔵庫を納めるなど、キッチン全体を垂直に繋がった一室空間の中で浮いた存在にならないように配慮されている。
photo by Nacasa & Partners