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妖しく光る階段空間
若者向け賃貸アパートメントの階段ホールの改修提案
この建物の最大の特徴は階段空間である。まるで天に続くようなまっすぐに延びた階段空間は魅力的なポテンシャルを持っている。その空間をより象徴的にするために建物から独立した一つの建造物のように見せてみる。
外観は街の中で目立ちながらも自然にとけ込むように「落ち着いた赤」を塗る。その赤の背景として選んだ色は上品な色気のあるグレー(ワイマラナーグレー)を選び、決して「風俗ビル」にっ見えないように注意する。
まるで古い洋館かもしくはSM風な門扉を開けて、「妖しい赤に彩られた階段空間」に入る。赤く塗られた壁、天井の隅に青い間接照明が空間の形状をトレースし、「天国への階段」をいっそう感じさせる。途中の踊り場には、各階の共用部分への入り口があるが、そのドアからは、青、緑、黄色に塗られた共用部分の色が映り込み、「赤い空間」を際立たせ、各階を明確に分けている。
また、通りに面したガラス窓部分にも青い照明を仕込み、「妖しさ」をよりいっそう際立たせている。