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re-apartment/kik

築32年の大型マンションの一室。女性が一人で住む60㎡の専用部分をスケルトンリフォームすることになった。我々に依頼される前にも相当な準備期間があり、施主のリクエストは細かく、多岐に渡る。しかし、そのすべてをクリアするには面積と予算が全く足りない(よくあることだが)。そこで持ち物の整理、生活の見直し、リクエストのプライオリティの判断などを一年以上の期間をかけてコンサルティングしながら、厳選したものをレイアウトする作業を繰り返した。
 図面を見て分かる通り、この計画のポイントは6.2°の角度を持った斜めの壁にある。この壁によって、矩形の空間をプライベートとパブリックなスペースに分割している。PSの大きさ、壁配管の便器、エアコン用配管穴の位置などの物理的条件にリクエストに基づく生活をプロットしていくと、自然に斜めの壁が生まれた。角度6.2°の壁の効果はそれだけではない。部屋のパースペクティブを狂わせることにより、広さの感覚が曖昧になり、普段は開けっ放しの引戸につけた姿見の効果も相まって、実際よりも広く感じることが出来る。
 更にこの壁を左官、モザイクタイル、木、人工大理石、塗装といくつもの素材で構成し、アクセントの小窓をつけるすることで、より壁の存在を強調させている。 照明器具は直接光が目に入るところ以外はすべてLEDを使用している。リビング収納の上や寝室の壁上などの間接照明が天井に反射して部屋全体をやわらかく包み込み、厳選した適所に配置したスポットライトが明るく手元を照らす。濃淡をつけた照明計画が空間を豊かに演出している。

 

プロデュース:デザイナーズリフォームAWN
photo by mariko yamamoto