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re-apartment/m
2002年にキッチン部分をリフォームした。これで『ハレ』の部分は完成し、次に『ケ』の部分のリフォームに着手することになった。
この計画はまず、FLライトの照明器具「タリアセン」を置くことから始まった。そこで我々はその解答として15.3mもの長い廊下を提案し、この家の象徴とした。「タリアセン」が置かれる廊下の端部は主寝室に入っているが、床、壁の素材と間接照明の流れを延長することにより、引戸を開け放てば、そこは廊下の延長として認識される。
既存部分の古材フローリングと今回改装するチークフローリングでは素材と貼る方向を変えることにより、『ハレ』と『ケ』の場を明確に分節しつつ、廊下の端をカーペットとし、この廊下からアプローチされる各部屋と揃えることにより、各部屋間の連結性を高めている。
また廊下の左側の壁は収納扉のレッドラワン、左官壁、緑青シート、スレートと素材を変化させ、更に各部屋の壁仕上げも左官(白)、左官(グレー)、桐集成材、黒檀(ダンウッド)と変化させ、部屋の中から廊下を振り返った時に違った風景が見られるように配慮している。
ひとつの住宅としてはあまりに多くの種類の材料を使いながら、一つの空間としてまとめることを要求された物件であったが、「タリアセン」という一つの目的のためにセレクトされた素材達は、極自然に調和しそこに馴染んでいる。
(住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2006支部長賞受賞)
photo by STUDIO KAZ