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「キッチンな人」の日常

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ツドウイエ

築35年のマンションをリノベーションを前提に購入された。ここでは都心のマンションのあり方を考えた。『集合住宅』という言葉を、本来の「家が集まった建物」という意味ではなく、「人が集まる住宅」と解釈してみる。そうすると、そこは暖かみがあり、集まった人数による可変性を備えることが必須となる。
この部屋の最大の利点は窓からの景色である。晴れた日には遠くに富士山が見え、幻想的な夕陽が射し込む。夜になると西新宿の夜景が目の前に拡がる。そこで、ベッドを造り付けとして、バルコニーの手すりやサッシ中桟の高さなど綿密にシミュレーションして、ソファー代わりにもなるようにその高さを導き出した。
床に使ったのは100%天然ウールのカーペット。肌触りがよく、汚れ等にも強い。思わず頬擦りしたくなる。玄関から廊下部分は杉の無垢フローリング。これも脚触りがよく、カーペットとの相性もいい。カーペットや建具の色は夜景を見る時に邪魔にならないように、つや消しの黒を選んだ。
約20帖のリビングキッチンではあらゆるところに人が溜まり、白い壁にプロジェクターで映像を投影して、ワールドカップをみんなで応援することだろう。

 

プロデュース:アリストコンサルティング
photo by mariko yamamoto