昨年11月に完成していた『POLO HOUSE』の撮影のため、久しぶりに訪れた。引越し当初に置かれていた家具も配置を変えたり、処分したりと、すっかりこの部屋に馴似合う、厳選されたものたちが配置された素敵なインテリアになっていた。
築15年のマンション。この時代のこのグレードのマンションだから、きっとあそこの輸入キッチンだろう(ラベルはなかった)。独立した空間のコの字型キッチン。天板はコーリアンのシェラダスク、面材は白い艶あり塗装のフラット扉に太めのステンレスのハンドル。当時はよかったのかな?15年前ってすでに独立して、一番キッチンの設計をやってた頃のはずなのに、こんなんだったっけ?
ま、その白いつるんとしたキッチンが、このプロジェクトの目指すインテリア産業協会とはそぐわない。施主の要望に「愛犬ポロ(イタリアングレイハウンド)の色(白と黒)にしたい」というのがあり、フレンチシックなインテリアを目指した。しかし、キッチンを全て作り変える予算ではなかったため、扉のみを細工する作戦をとった。既存の扉にサンメントのモールディングを施し、黒の艶消し塗装を施す。しかも刷毛痕を残した仕上がり。これが一番難しい。刷毛痕が強く出てもいやらしいし、弱いと意味がない。ちょうどいい加減を現場で塗装屋さんと何度も試して決めた。そのおかげで、全く違う雰囲気のキッチンになった。
キッチンリフォームやキッチンリノベではない。
「リメイクキッチン」