(シリーズ「生き残りをかけた・・・」)
たとえば、最近よく見る「リノベーション」と呼ばれているリフォーム。まるで新築分譲マンションのような整った内装。不動産のチラシでも「リノベーション済!!」と声高に謳い、その内容はというと、
◯◯のシステムキッチン
××のユニットバス
△△のフローリング
□□のドア
◉◉の便器
▲▲の洗面化粧台
・・・・・・・
と大手メーカーの商品名が並ぶ。何を自慢しているのか理解に苦しむ。まあ便器はしょうがないけどね。
なぜそのようなスペックになるか?それはリノベーションという行為を理解していないからでは?既製品を並べるだけの工事は「リフォーム」。「リノベーション」と呼ぶ以上、現状から何かしら変化を含むものでなければならない(決して表層をきれいにするのではない)。そうすると既製品が当てはまらないないことが多いはずだから、キッチンや洗面などだけでなく、あらゆる面でオーダーメイドに関する高い知識や技術を身につけなければならないということになる。そこを理解しないままに耳触りがいいからと「リノベーション」と声高に使うとそういうことになる。
加えて、上記のようなスペックでの「リフォーム」工事を標準スペックにすると、最終的に価格競争に嵌まってしまうのは目に見えている。だって、隣と同じ内容なのだから、安い方を求めるのはあたりまえ。
それは、自分たちの仕事に価値を見出していないからじゃないかな。価格をアップさせるのに単純に高い商品をスペックする。それは確実に施主に見透かされる。しかし価値をアップさせるようにすると、その価値に共感できる人は価格にあまり関係なく(もちろん暴利ではいけないが)依頼するだろう。それであれば価格競争にはならない。
こんな話をセミナーなどですると
「そんなお客さんいるわけないじゃねぇか!!」と言われる。
「でも現実に僕の周りにはいますよ」
「少しはいるだろうよ、でもわずかだろーが!!」とケンカ腰になってくる。「じゃあ、そんなひとが世の中に何%くらいいると思います?」
「そんなん10%くらいじゃね?」
「じゃあ、たとえば都内で家を買おうと思ってる人って何人いると思います?」
「ん〜〜〜1万人くらい?」(首都圏のマンション販売戸数は約4万戸、契約率は75%らしいからもっと多い。※社団法人不動産流通経営協会資料より)
「その10%は?」
「ん〜〜〜1000人・・・か」
「御社の年間棟数は?」
「い、、、一件」
「じゃあ、1000年仕事にあぶれませんよね」
そう、マーケットとしては十分ある。マーケットを絞れば、それだけ方向性がはっきりする。新築分譲のように万人受けする内容にする必要は全くない。
何度も書くが、生き残る術は他社には真似できない特異性を持つこと。それは簡単にはできない。お金を出して手に入るものは誰でも参入できる。そこに気付いてほしいだけなんだけどなぁ〜。いろんな切り口はあると思いますよ。そのひとつがオーダーキッチンであることも確か。(まだつづく・・・・のか?)
朝、少し早起きして犬の散歩。
松濤案件の変更で大慌て。
散歩からもどって図面。
午後、渋谷で授業一コマ。
急いでもどって、松濤案件の続き。