+blog 

「キッチンな人」の日常

+pamphlet

STUDIO KAZのパンフレットを作りました。ご希望の方はお送りしますのでメールにて御請求ください。

+books


+kitchening

web外伝 レシピ集

+movie

+kitchen academy

+facebook

 

project >>>

都市の小さな要塞 

道路から約1.5mセットバックさせて建物を配置する。狭い前面道路に対して余裕を持たせることによりファサード全体を見やすくし、奥行感が出ると同時に、東側の建物と(比較的)合うことになり、街としての統一感が出る。
ファサードは黒御影石(インパラブラック)を貼って高級感を出し、道路面へは閉じた空間となる意識を強くしている。「都市の小さな要塞」というタイトルはここから生まれている。南側は道路を挟んでいるが、建物が迫っており、さらに土地が高くなるため、眺望や日照は望めないため、道路面は閉じたファサードとした。そのかわり、北側は大きな開口部を取り、柔らかな光を取り込むとともに、目の前に広がる六本木ヒルズを一望できる。またその北側にはテラスを設け、バーベキューや風呂上がりのひとときを楽しめる。1階と3階に設けたのは、プライバシーの段階により、使い分けることができるためである。

少しだけへこみを付けたガレージ前の部分は庇の役割も果たし、その右側の門扉から玄関前の空間にアプローチする。
玄関前の空間は空が見える吹き抜けとなっており、浴室や3階の居室へ太陽光や風を取り込む「光と風の煙突」としての役割を果たしている。

1階はガレージと玄関ホールのみとする。南北をガラスの開口としたトンネルのような空間とし、照明は玄関収納の上下に配した間接照明のみとし、仄暗い空間となる。そのまま北側のテラスに延長され、さらに奥行感が増す。

階段を上り2階に上がると、リビング・ダイニング・キッチンの一室空間が広がる。キッチン部分は通常よりも少しだけ高い天井高だが、リビング・ダイニングは3階までの吹き抜けとなり、その天井高は5.3mにもおよぶ。西側の壁面は凹凸があるスレートを貼り込み、そのチャコールグレーの壁は陰影トレースし、一日として同じことはなく、日々の生活を飽きさせないだろう。
トイレ、洗面、浴室は一部を透明ガラスで仕切られているものの、実質的に一つの真っ白な空間であり、「煙突」から光と風を供給される。

拭き抜けに位置した階段から3階に上がる。吹き抜けに面してL型の部屋となる。この部屋は将来二つに区切ることもカ考えられる。

北側にはもうひとつのテラスを設け、よりプライベートに使うことを想定している。