知り合いの家具屋さんが愚痴っていた「若いデザイナーに現場での打ち合わせで『これでは納まらないので、どうしましょうか?』と軽く質問したところ『それを考えるのがお前の仕事だろ!!!』と半ばキレ気味に返された」とか。
「God is in the details.」という言葉がある。『神は細部に宿る』と訳され、一般的には「細かい部分までこだわり抜くことで、全体としての完成度が高まる」と解釈されている。一般的には建築家のミース・ファン・デル・ローエの言葉と言われているが、実は建築家のル・コルビジェや哲学者のフリードリヒ・ニーチェあたりも使っているようで、その出自は定かではないようだ。
しかし、我々は神ではないので、完全なものを提供することは極めて難しい。しかも我々がデザインしてる空間やモノは、それを使う人が介在して初めて成立する。つまり施主の手に委ねる部分=余白を僅かに残すべきだ。岡倉天心も「完成品ではなく、未完成品ゆえに、受け手の完成に向かう想像力によって完成に至る」と語っている。つまり最終形態へと誘導するための空白が重要なのだ。そう委ねるのはあくまで施主であって業者ではない。我々デザイナーは施主と施工業者の間にいて、90%の完成形にはきちんと責任を負うべきだ。もちろんデザイナーが考えているよりも遥かにいい納まりを業者が提案してくれることがあるし、得意不得意もあるだろう。しかし施主にとっては得意不得意は関係ない。90%の完成度(施主にとっては100%の完成度)に向けて全力で立ち向かうだけなのだが。
2月1日(火)午前、新小岩案件のオンラインミーティング。図面が遅れててすみません。午後、入船studioでリアルミーティング2本。夜、大島studioで図面。
2月2日(水)午前、秋谷案件の現地で施工業者による現調立ち会い件打ち合わせ。帰りに中華街でランチ。夕方から大島studioで図面。
2月3日(木)終日事務所。ずっと大島studioで図面。
2月4日(金)終日事務所。ずっと大島studioで図面。